結露するまえのこと 2

病院は、家から自転車で10分ほどのところにあった。 1年とすこしぶりの再会に祖母が喜んでくれるに違いないと期待をしていたが、祖母は私を認識しているのかよくわからない反応を示すにとどまった。意識はあるにはあるのだけれど、誰だかわからないようだっ…

結露するまえのこと 1

気づけばあっという間に時間がすぎている。まあそんなものだけど。 2017年の11月のあたまに、家族から「祖母が危ないから帰ってきてくれ」と連絡があった。2016年の9月に日本を離れてから、一度も日本に戻っていなかったわたしにとってそれはある種いつもの…

日が当たると四股をふむひと

日照時間が長くなった。 日が当たらないと人間はつらくなる、というのを、大学一年生のときに京都から金沢に引っ越して初めて知った。金沢の人のいう「晴れ」とは「空から水が降ってこないこと」を指し、つまるところそれはわたしにとっての曇りだった。曇天…

石をあたためいだいて眠る

ふと、まとまらないことを置いておくのにちょうど良いので、twitterをやっています。日本を離れてからはことに、わりとよく使っているほうだと思います。展覧会によく繰り出して感想をのべている人や、イベントや街の様子、おすすめの本を知らせてくれる街に…

おいしいお米のことばかり考えるといろいろとおかしくなるのでやめたほうがいい

20代後半、なにかと盛りの時期を、なぜかデンマークで心身ともにうろうろすることに注ぎ込んでいる人の文章です。 こんにゃくひと塊500円、お豆腐一丁600円、基本的に日本食材は本国の二倍どころのさわぎではないお値段であつかわれるここ冷凍都市コペソハー…